僕のフィリピン  ~その後のフィリピン・ラウンドトリップノート~ -386ページ目

旅の準備の準備 3

 
 「何をしたいかよく分からない人にはアドバイスのしようもない。」


         とは、作家・村上龍氏の言葉だ。

行き先をまったく決めずに暴発(?)してしまった僕達の混乱にとってもよく似合う言葉だと思う。


僕達は何でもいいから取っ掛かりを作ろうと大手旅行代理店をまわった。
手にはパンフレットだらけだ。


代理店では、案の定、首を傾げられて

  「じゃ、また来ます。」

          と店を後にする。そりゃそうだ。だって、


  「どこか旅に出ようと思ってるんですけど。」


で質問が終わってしまうのだから。


今から思えば、旅行代理店に人生相談に行ってるようなものだ。
答えなんか出る訳がない。



人は案外、 ‘どこにでも行っていい、しかも好きなだけ’  となると、
どこにも行けなくなってしまうのかもしれない。



ある代理店の方に
「それだけ時間に余裕があるのなら、まず旅のインとアウトを決めましょう。そこからイメージをふくらませていきましょう!」
とアドバイスをいただいた。


思いがけず行き先を決める事が難航していた僕達にとって、ほお擦りしたくなるようなお言葉、  だ。


僕達は電車に乗り自宅近くの居酒屋に直行した。

もちろんカミさんとの作戦会議のために。